記憶の片隅から

彼と私の共通のただ一人の友人N男(「昨朝」という記事で少し書きました。)


N男と彼と私は共通の趣味があり出会いました。


出会ったのは少し遠いところ、でも三人家が近くて、特にN男はうちのすぐ近所に下宿先があり目と鼻の先。


N男は二歳年下でお互いに恋愛感情はありませんでしたけれど、たまに近所にあるファミレスで晩御飯を一緒に食べたりしていました。


それとは別に彼とは友人以上恋人未満の関係が四年近く続きました。


最近知ったことですが、彼は私がN男と二人で食事を何度かしていたことが羨ましかったのだそうです。


彼とこうして再会して思い出話をするようになるまで、N男と晩御飯を食べたことはすっかり忘れて記憶が無かった私。


でも彼は良く覚えていました。


当時彼に私が話したらしく、食事の内容まで覚えていて、


「どうしてそんなこと覚えているの?」と聞くと、


「羨ましかったからね。」と彼。


当時はそんなそぶり微塵も見せなかったのに。




私は当時から彼が好きだった。


出会った翌年就職した彼は多忙でした。


彼が就職するまで居たのは学寮


今と違って携帯電話がない時代


知り合ってから学寮を出るまでの間、私はかなりここに電話をしたと記憶している。


学寮にかけると管理人さんが彼の部屋まで呼びに行ってくれる。


電話越しに聞こえる管理人さんのスリッパの音。


不在のことも多く、「電話があったこと伝えておきますね。」と管理人さん。


彼は必ず折り返し電話をくれた。


私は結婚するまで実家におり、家族が彼からの電話を取ることがないように必死でした。


就職した彼は今度は会社の寮に入ってしまう。


ここに電話すると管理人さんが彼の部屋の内線に繋いでくれるシステム


やはり彼は不在なことが多く、電話は必ず折り返してくれていたけれど管理人さんは無愛想な方で電話を何度もしづらかった。


学寮にも会社の寮にも手紙を封書で数通出しました。


あの頃会う度に撮った写真を添えて。






いま現在の彼と私は一緒に写真を撮ることなどないのだけども。





この頃の手紙や写真は結婚して家を出るときに整理して処分してしまいました。



彼は(私も)N男とも封書のやり取りをしていたのですが、N男のも私からのも

全て大事に今でもとってあるそうです。


年賀状は出会った年から欠かさず三人で出しあっていました。


三人とも家族写真付きでした。


結婚しました葉書も三人出しあいました。


N男は白無垢和装、私はウェディングドレスで写ったものでした。


彼のは普段着のスナップ写真で(お式を挙げているのに)


幸せそうに写っていたらいいのに、笑顔の奥様の横でいつも通りの顔をしている彼でした。。




現在、封書はメールに変わり、電話はスマホに。


あの頃彼に連絡を取るのも簡単ではなかった。


電話出来るとわかれば、テレカと百円玉握りしめて近所の比較的空いている電話ボックスまで車走らせてた



会う約束をするのもひと苦労だったけれど、ひとつひとつの作業が楽しくもあり充実感に満ちていた



そんな思い出が私たちにあって良かったと思っています。

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