満たされる

その日は快晴。気持ちのいい青空が広がる とても暑い日。


私の暮らす街に彼が逢いに来てくれました。


何処もかしこも知り合いばかりの私の生活圏。


お付き合いしてきて初めての部屋の中だけの逢瀬。


外も一緒には歩けないですし、食事も二人きりでは出来ないので、夕食と翌日の朝食を用意して行くことに。


デパ地下の食品売り場で悩むこと小一時間。


あれこれ彼の好きそうなもの、土地の名産などを買い込んでホテルへ。


30分後には彼も到着しました。


四カ月ぶりに見る彼。


お互いに顔を見合わせて、言葉にならない。。。


長い長いキス、


温かな彼の体温、


彼の匂い、


うれしいのに、会った途端切なくて胸がきゅんとつまりそうになった。


なんて苦しい道を選んだんだろう。


身体を重ねて、長い時間ずっとつながって、お腹が空いてはちょこっと食べて、また重ねて、少し眠って、また重ねて、おしゃべりして片時も離れずに翌日お昼まで過ごした。


二十時間後の「またね。」に向かって時間が過ぎてゆく。


無防備な身体


優しい眼差し


ときには大笑いして


お腹の底から笑えるのは、さとだけって。


彼の大好きな膝枕


白髪を少し抜いてあげて お耳掃除


膝で感じる彼の重み、体温


近くで見る髪の毛 おでこ まつげ 目 鼻 口 耳すべてが愛おしい。


時折下から私の顔をじっと覗き込む。


「旦那さんにもするの?」と彼。


「したことないの。」と私。



それから話の流れで、


「旦那さんとするの?」と彼。


「たまにね。」と私。


「妬ける」と彼。




「さとのこと好き?」と私。


「好きだよ。」と彼。


あまりにあっさり答えるものだから


「・・・どこが好き?」と私。



ふざけて彼は色々なこと楽しそうに答えていたけれど、一番最後に真面目な顔して「さとの性格」と言った。



お互いの家庭内のことなども沢山話をして、次に会えるのはいつかなぁなんて話に。


付き合い始めの頃は、「遠く離れていてちょうどいい。一年に何回かたまに会えたらいい。」なんて言っていた彼だったのに、


「一カ月に一度は会いたいなぁ。」と言い出した。


それは私も同じことを望むけれど、今の私たちは現実的には厳しい。


でもそんな彼の気持ちは嬉しくもあり、切なかった。





これから先のことは、彼も私も誰にも分からない。


今分かるのは、彼も私もお互いに好きで相手を大切に想っているということ



四カ月前のお花見が、今年最後のデートだとお互いに覚悟していたのに、色々な偶然が重なって実現した今回の逢瀬。


遠く離れていてもお互いに大切に想いあっていたら、目で見える形はどうあれ、彼がどういう言葉を発しようとも甘い言葉を囁いてくれなくても、心はそっと寄り添っていられるのではないかと感じた甘く切ない時間でした。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。